卒園スライドショーを作るとき、最初の難関が構成を作るところです。
「どんな構成にすればいいの?」「どんな演出アイデアがあるの?」と迷う方も多いはず。
今回は、初めてでも迷わず作れる構成の作り方と、実際に使える構成例と演出アイデア21選をご紹介します。
卒園スライドショー構成作りの基本ステップ
【ステップ1】前提確認!上映のタイミングは?
卒園スライドショーを作ることが決まっているなら、上映するタイミングも決まっていると思います。
上映するタイミングは、卒園式ですか?謝恩会ですか?
卒園式なら主な対象は子どもと保護者、謝恩会なら子どもと先生になります。
卒園スライドショーを届けたい相手は誰なのかを意識して構成を作ります。
子どもたちの思い出や成長の軌跡がメインですが、卒園式なら保護者のメッセージ、謝恩会なら先生への感謝などを盛り込むと、場にふさわしいスライドショーが出来上がります。
【ステップ2】スライドショーの長さを決める
卒園スライドショー自体は10〜15分程度がちょうどよいと思います。長すぎると飽きられ、短すぎると物足りなくなります。
①式全体の進行
卒園式や謝恩会はスライドショー以外にも証書授与や記念品贈呈などがあります。式典や会全体の長さから、卒園スライドショーに割り当てられる時間がある程度決まるので、まずはその時間を確認します。スライドショー後も卒園式や謝恩会は続くので、その後の進行に差支えのない長さがいいです。
②子どもの集中力
子ども向けアニメは、1話10〜15分程度。これが子どもたちが集中できる目安時間です。
自分やお友達の顔が、スクリーンに映るので子どもたちは一生懸命に集中してみてくれますが、長すぎると集中力が途切れます。
③写真の枚数バランス
短すぎると子どもたち一人当たりの写真の枚数が少なくなり、物足りなく感じてしまいます。
【ステップ3】場面構成を考える
ここまで確認してから、卒園スライドショーの構成のアイデア出しを始めます。
方法としては、
前年度までの卒園スライドショーを見せてもらい参考にする
自分の入れたいシーンをメインに入れていく
集めた写真や動画から選んでいく
などがあります。
次章の卒園スライドショー構成アイデア21選もぜひ参考にしてください。
仕事でスライドショーを作る時も導入・本文・締めの形で作成しますが、卒園スライドショーでは、導入としてオープニングを、締めとしてエンディングを置きます。
本文の部分には、アイデア出しで練ったアイデアを入れていきます。この時は、ちょっと欲張っても大丈夫。次の工程で調整していきます。
もし、アイデアに迷ったら、他の卒対メンバーや先生にも相談してみてください。早めに相談することで、これからの素材集めや名前間違いのチェックなど、協力を仰ぎやすくなります。
【ステップ4】シーンごとの時間配分を考える
オープニング、園生活、行事、先生紹介、エンディングなど大きな流れを先に決めたら、シーンごとの時間配分を考えます。
写真1枚につき、表示時間は3秒〜5秒くらい、テンポよく見せたいなら2〜3秒、しっとり見せたいなら5秒〜7秒くらいまでです。卒園児紹介や子どもたちから一言メッセージなどを入れる場合は、全員が入れるように時間を確保する必要があります。
アイデアを出しすぎて時間が足らなくなったら、どこかを削ります。もし、卒園スライドショーをDVDに収録するつもりなら、削るしかなかったアイデアをおまけとして入れることもできます。
【ステップ5】写真・動画・BGMの配置を決める
卒園スライドショー全体の中で、動画の割合は10〜20%くらいがおすすめです。
全体の長さを15分とすると、動画はトータル1分30秒〜3分くらいになります。一度に長い動画を流すより、10〜20秒くらいの動画を要所に差し込んでいった方が、テンポがよくなります。
1シーンの時間から動画の時間を差し引いた分が、写真の割合になります。表示時間を3秒〜5秒とすると、だいたいの写真の枚数が割り出せるので、写真集めの目標にします。
シーンごとにBGMを変えると雰囲気の切り替えが自然になります。「癒し ピアノ」「明るい アコースティック」など、場面ごとに希望するBGMをイメージおくと、探すのがスムーズになりますよ。
卒園スライドショー構成アイデア21選
オープニング演出アイデア
- タイトル画面に「○○年 ○△□保育園 卒園スライドショー」と表示する
その年に園児たちに流行したアニメのタイトルロゴをパロディ風に - 園舎や園庭の写真を背景にする
四季それぞれの写真を順に映して年月を表現 - 入園当初の子どもたちの写真を流す
『私たちの思い出はここから始まった』というストーリー仕立てに 
卒園児紹介のアイデア
- 名前+小さい頃の写真と現在の写真を並べる
小さい頃の写真と「だ~れだ?」の文字→現在の写真と名前を表示して、赤ちゃん写真クイズ風に - 名前+「将来の夢」「好きな遊び」などのコメントを並べる
写真と音声とテキスト、動画とテキストの組み合わせの方が園児には伝わりやすい - 集合写真から一人ずつズームインする
園児の決めポーズ写真をくり抜いて集合写真を作り、その写真を拡大すると同時に名前を表示する 
行事別構成のアイデア
- 運動会
走るシーンをテンポの良い曲で、動画なら歓声や応援の声もいっしょに - 発表会
ステージ上の姿を動画で挿入 - 遠足
友達との自然な笑顔をピックアップ - 夏祭り
法被姿や出店での様子などをまとめる 
日常シーンのアイデア
- 給食の様子
食べている姿の写真、全部食べたよと食器を見せてくれた写真など - 園庭で遊ぶ様子
遊具で遊んでいる姿、友だちとのごっこ遊びなど - クラス内での工作や自由遊び
真剣に工作に取り組んでいる姿、保育園・幼稚園で遊んだおもちゃなども映りこんでいると後日の良い思い出に - お昼寝の様子
自分たちでは見ることのない姿を写真で 
先生紹介やメッセージのアイデア
- 先生紹介
名前+写真+一言コメント - 担任の先生から子どもたちへのメッセージ
動画+手書きメッセージをテロップで入れる - 子どもたちから先生へのメッセージ
園児の短い動画をつなげていく、「ありがとう」「だいすき」など一言メッセージ - 保護者から先生へのメッセージ
全員集合写真に「先生ありがとうございました」を添える 
エンディング演出のアイデア
- 卒園児全員の集合写真+未来へのメッセージを載せる
「はばたけ!○○保育園□□組」「すてきな一年生になってね」など - 卒園児一人一人の名前をエンドロール風に流す
園庭の遊具や保育園・幼稚園で遊んだおもちゃや工作に使った道具などを背景に - 「卒園おめでとう」の言葉で締める
園舎や桜の木を背景に、BGMをフェードアウトさせて 
🎥 卒園スライドショー構成例
卒園児が24名いる設定で構成例を作りました。参考にしてください。
時系列構成の一例(約15分)
| 場面 | 時間 | 内容 | 
| 1.オープニング | 0:30~1:00 | タイトル:「○○ぐみの思い出」園舎や集合写真、桜などのイメージBGM:やさしい明るめの曲(ピアノ・アコースティック) | 
| 2.年少 | 2:00 | 写真:入園式・初登園・初めての園生活動画:初めての運動会やお遊戯の短いワンシーン(10秒程度) | 
| 3.年中 | 2:30 | 写真:運動会、遠足、日常(給食・遊び・制作)動画:発表会や歌のシーンを15秒ほど | 
| 4.年長 | 4:00 | 写真:最後の運動会・生活発表会・園外活動動画:クラス全員の歌やダンスを20秒前後で数本挿入 | 
| 5.家庭での様子 | 1:30 | 写真:おうちでの様子(誕生日・習い事・遊びなど) | 
| 6.子どもたちからのメッセージ | 2:00 | 1人ずつ「ありがとう」「だいすき」などをつなぐ(動画 or 写真+音声)動画は1人5秒程度でテンポよく | 
| 7.エンディング | 2:00 | 担任の先生との写真・寄せ書き・集合写真 BGMを感動系に切り替え、フェードアウト最後にクレジット(BGM提供元・係のお礼など)  | 
ポイント
- 短い動画を多めに入れて、テンポよく飽きさせないようにする
 - 「年長パート」と「エンディング」では、写真を多めに配置してメリハリをつける
 
笑いと感動のミックス型構成の一例(約10分)
| 場面 | 時間 | 内容 | 
| 1.オープニング | 0:20 | タイトル:「○○ぐみの思い出」桜や園舎、入園時の集合写真などBGM:明るく軽やかなインスト | 
| 2.卒園児紹介 | 4:00 | 子ども一人ずつの「紹介パート」入園時の写真+最近の写真面白い表情やかわいい一枚を盛り込んで笑いのポイントにBGM:ポップで楽しい曲1人あたり10秒 | 
| 3.行事・日常のハイライト | 2:20 | 運動会、遠足、日常の遊びの様子写真を3秒テンポでつなぎ、要所で動画を挿入(15秒×数本)笑顔・ハプニング・可愛い場面を中心にまとめて“笑い”の山場を作るBGM:元気なアップテンポ | 
| 4.子どもからのメッセージ | 2:00 | 各家庭からのメッセージ動画(1人5秒程度)「ありがとう」「小学校がんばります」など短くテンポよくBGM:やさしいピアノやストリングス | 
| 5.先生からのメッセージ | 1:00 | 担任や副担任の言葉(録音 or 動画)+先生との写真保護者も胸に響く感動シーンBGM:しっとりしたバラード調 | 
| 6.エンディング | 0:20 | クラス全員の集合写真、園舎と桜メッセージ:「卒園おめでとう!」BGM:フェードアウトで余韻を残す | 
ポイント
- 前半は笑いとテンポ重視(紹介・行事パート)
 - 後半は感動と余韻(子どもからのメッセージ・先生からのメッセージ)
 
構成アイデアを活かすための注意点
長すぎないように工夫する
シーンを欲張りすぎず、重要な部分を厳選して盛り込みましょう。あれもこれもとアイデアを入れたくなる気持ちは分かりますが、時間が足りない場合はどこか削らなければなりません。どこを削ればいいか分からなくなったら、他の人に相談することも大事です。
公平に子どもが映るようにする
登場回数を管理して「全員がバランスよく映る」ようにするのが大切です。各シーンに必ず1回以上は登場させたいもの!複数人で映る写真をうまく使うと少ない枚数でも全員を自然に登場させることができます。
BGMとの相性を意識する
写真や動画の雰囲気に合った曲を選ぶことで、一層感動的に仕上がります。BGMのテンポに合わせて写真の切り替えができるとなお良くなります。
卒園スライドショー全体を見ながら制作していく
誰のための卒園スライドショーかを意識して制作します。構成案は大まかな流れ、作りながら調整しても大丈夫です。
まとめ
今回は、卒園スライドショーの構成の作り方と演出アイデアを紹介しました。
この記事を読めば、もう卒園スライドショーの構成に迷いません。
卒園スライドショーの構成案ができれば、最初の山場はクリアです!
この記事で紹介したアイデアを参考にしながら、子どもたちの成長を感じられる感動のスライドショーを完成させてください。
  
  
  
  

コメント